生類供養と日本人
 

四六判/240ページ/並製
978-4-86329-112-6
定価 2000円 (+税)
2015年2月発行
紹介

生きてゆくために動物たち(生類)の命をいただいてきた私たち人間にとって、その命を奪うことに対する罪悪感からどのように逃れてきたのか。その罪悪感を薄める〈装置〉として各地に供養塔がつくられた。その供養塔を丹念に踏査し、土地の風土や歴史、習俗と動物(生類)とのかかわりの深さから〈供養〉の意義を次々に読み解いてゆく。さらに西洋のいけにえとしての〈供犠〉と日本の慰霊としての〈供養〉とはどのように違うのかということにも言及した労作。

目次

第一章 海の生類供養
第二章 山の生類供養
第三章 里の生類供養
第四章 伝説の生類墓
第五章 日本人と動物と生類供養

著者

長野 浩典

ながの ひろのり

1960(昭和35)年、熊本県南阿蘇村生まれ。熊本大学大学院修了(日本近現代史)。2020年3月まで大分東明高等学校教諭。著書に『街道の日本史 五十二 国東・日田と豊前道』(共著、吉川弘文館)『ある村の幕末・明治』『生類供養と日本人』『放浪・廻遊民と日本の近代』『西南戦争民衆の記』『川の中の美しい島・輪中』『感染症と日本人』(以上、弦書房)。

弦書房より発行の関連書籍

ある村の幕末・明治
鯨取り絵物語
江戸の〈長崎〉ものしり帖
長崎蘭学の巨人