file7 旧楽天堂医院

市原猛志

【旧楽天堂医院(1912年竣工)香川県多度津町】
 
 この建物をひとことで称すると、にぎやかな近代建築、と言えようか。玄関部分の車寄せには、派手なコリント式オーダー(柱飾り)が施されているかと思えば、窓の建具もかなり凝っている。二階上部のパラペット(手すり壁)の意匠も賑々しい。香川県多度津町の、JR四国多度津工場の向かい側にあって、古くより医療を行っていた建物であるが、医院としては移転されており、現在は別の業態の店舗が入っている模様。古くよりの名称である“lakutendo-hospital”の名称は玄関部分に誇らしげに今も遺っており、建物が大切に扱われていたことを今に伝えている。
 国道の向かい側に建てられた山本医院も1926に建てられた医院建築で、こちらは現役で営業を続けている。旧楽天堂医院のアーチ窓と対照的な矩形の窓と直線的なデザインモチーフを使用しており、印象は全く異なる。同じ近代建築というカテゴリにありながら、印象の異なる建築を一度に見ることができるのは、多度津の大きな魅力と言えよう。
 
 
 
旧楽天堂医院

▲旧楽天堂医院(1912年竣工)香川県多度津町