連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2017.04.20

file15 カトリック芦花部教会

市原猛志
 
【カトリック芦花部教会(1929年竣工)鹿児島県奄美市】
 
 奄美大島は起伏に富んだ地形を持っており、南北を自転車で縦断しようとすると、かなり難易度が高くなる。それゆえに、集落同士を隣り合って見ることは少なく、概ね尾根を経てそれぞれに集落が個々に存在する、といった具合なので、それぞれに独自の文化を持ち他の集落には見られない個性を持った施設がある。
 その中でも、今回「再発見」と位置づけてもよい施設との出会いが、この芦花部教会である。南西諸島含め、鹿児島の島嶼部では戦前期から遺る産業遺産が少ない。これは沖縄戦の影響や戦後度重なって発生した大火の影響が大きいが、この施設は、大きな集落に位置していなかったからか、また建て替えるほどの大きな変化を集落として経験していなかったからか、とにかくも奇跡的に現存した。外観の一部は新建材で覆われているため、一見古さを感じづらいが、内部は竣工当初からの雰囲気を維持している。中でも見どころは天井部分で、いわゆる竿縁天井の形態を取りつつも、横に渡す板を斜めに切って矢羽状に彩っている。これは内部を見なければ分からない、実に魅力的な空間である。
 
 
 
カトリック芦花部教会

▲カトリック芦花部教会(1929年竣工)鹿児島県奄美市

 
 
 

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