連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2017.06.01

file20 信州大学繊維学部講堂

市原猛志
 
【信州大学繊維学部講堂(1929年竣工)/木造2階建】
 
 かつて長野県は、山深くなかなか訪れにくいところであったが、北陸新幹線を使えば、今や東京駅から90分程度でついてしまう。駅前は大河ドラマの影響からか、のぼりや案内掲示板を見る限り、戦国時代がやたらとりあげられているが、時間の都合上、上田城も城下町も見に行っていない。決して嫌いというわけではないのだが、ただ「優先順位が低い」だけ。製糸工場の次は台地を回り、信州大学へと向かった。
 上田市に本拠を置く信州大学繊維学部は、上田蚕糸専門学校を学部の源流としている。この建物は、講堂施設として昭和初期に建てられたもので、建物としては現在旧制高等学校建築として遺る全国各地の建築様式に近似しており、妻入りの入り口部分を張り出したさまは、学校の講堂建築としてよく見られるものである。おそらくは文部省としての標準設計に則って建てられたものと考えられる。大学内には煉瓦造の倉庫など、蚕糸学校から続く伝統をそこかしこに垣間見ることができる。
 
 
 
繊維産業の城下町・上田を代表する講堂建築。

▲繊維産業の城下町・上田を代表する講堂建築

 
 
 

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