連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2017.08.09

file28 登米警察署

市原猛志
 
【1889年竣工/宮城県登米市/木造2階建/県指定有形文化財】
 
 明治に入り導入された公共機関は数多い。なかでもお白洲といわれた警察・裁判を兼ねた機能は、近代統治制度導入の際に分離され、各地に新たに警察署が設置された。警察制度自体は洋式システムをそのまま導入したこともあり、当初は既存の施設建築を使用していたが、年代を経るにつれ、全国各地には木造洋風の意匠を凝らした警察署庁舎が多く建設された。
 登米警察署は、明治20年代初頭に建造された警察署であり、この時期の警察庁舎は全国的に見ても現存数がきわめて少ない。また警察署庁舎を作った設計者として山添喜三郎の名が判明していることも貴重である。1986(昭和61)年からの修復工事を経て、現在は警察資料館として観光利用されている。玄関部分上部のバルコニーは建物の規模の割には大ぶりで、かつての警察マークもそれに合わせ誇らしげに飾られている。急な階段もまた、江戸期の城郭建築の流れを引き継いだ明治の洋館ならではのものと言えよう。
 
 
 
28-1-旧登米警察署庁舎-s

▲旧登米警察署庁舎

 
 
28-2-旧登米警察署2階に続く急な階段-s

▲旧登米警察署2階に続く急な階段

 
 
28-3-設計者としての山添喜三郎の名が記された棟札-s

▲設計者としての山添喜三郎の名が記された棟札

 
 
 

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