連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2017.10.02

file32 東北学院旧宣教師館

市原猛志
 
【旧シップル館/1887年頃竣工/仙台市青葉区/木造2階建】
 
 仙台市内は大戦時の空襲の影響もあり、大規模な近代建築がそれほど多く現存していない。この傾向は福岡市と似たような状況といえる。しかしながら、現存する数少ない建造物に関しては、文化財としての指定が進んでおり、東日本大震災を経て地域の資源として生かそうという試みが進められてきつつある。今回紹介する旧宣教師館もそのような流れの中で保存への道が開かれた。
 東北大学の南隣地に位置する東北学院大学の西端に少し朽ち気味の西洋館がある。駐車場に位置しているものの、長く使用されている痕跡も見られないため、今後を心配していたが、2016年に国重要文化財に指定された。典型的なヴェランダ式コロニアル様式(ヴェランダを設け植民地の温暖湿潤な気候に適応した洋風建築の様式)の洋風建築で、当初は屋根材に地元雄勝産の天然スレートを使用していたという。九州では長崎を中心に比較的残っている、明治期の宣教師住居建築であるが、東北では珍しいといえよう。現在は立入禁止となっているが、近く改修の上見学出来ることを期待したい。
 
 
 
32-1-2017年現在も立入禁止の東北学院旧宣教師館-s

▲2017年現在も立入禁止の東北学院旧宣教師館

 
 
32-2-東北学院敷地の端っこにあり、ひっそりと修理の時を待つ-s

▲東北学院敷地の端っこにあり、ひっそりと修理の時を待つ

 
 
32-3-外からヴェランダ部分の網代天井が確認できる。-s

▲外からヴェランダ部分の網代天井が確認できる

 
 
 

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