連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2018.02.13

file43 東武鉄道40号蒸気機関車

市原猛志
 
【1898年製造/埼玉県宮代町/タンク式蒸気機関車】
 
 宮代町をしばし散策すると、公園に置かれている蒸気機関車を見つけた。この機関車はもともと官設鉄道が1898(明治31)年に導入した蒸気機関車を大正時代に東武鉄道が譲り受けたもので、1966(昭和41)年まで使用されていたとのこと。東武沿線の宮代町が譲り受ける私で現在役場前の公園にこのように静態保存されている。明治時代の外国製蒸気機関車にふさわしく、小ぶりの姿がとても愛らしい。
 同時に訪れた近代建築群とは異なり、この蒸気機関車は特に目的としてみたものでなく、いわば訪れたところにたまたまあった産業遺産であった。しかしながら、他地域に置かれているノスタルジーとして一般記号化された蒸気機関車とは異なり、この一両は、東武鉄道が宮代町と培ってきた地域づくりを今に伝える、文字通りの「遺産」ではないかと思えてならない。野外展示ながらメンテナンスが定期的に行われているのだろう、朽ちた様子も見られない。これからも進修館とともに地域の宝物として長く遺され続けて欲しい作品である。
 
 
 
43-1-宮代町役場近くに保存されている、40号蒸気機関車-s

▲宮代町役場近くに保存されている、40号蒸気機関車

 
 
43-2-石炭車を後ろに牽引するテンダ式機関車だが、排煙板を設けない、初期の形式の名残を留めている。-s

▲石炭車を後ろに牽引するテンダ式機関車だが、排煙板を設けない、初期の形式の名残を留めている

 
 
 

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