連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2018.03.08

file45 出津救助院

市原猛志
 
【1883年竣工/長崎県長崎市/木造2階建】
 
 九州西部にあるキリスト教教会群を中心とした「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」という世界遺産候補が今年(2018)審議される。この構成資産に取り上げられている遺構のひとつに出津地区のキリスト教関連施設が挙げられる。これら施設はこの地で布教活動を行っていたマルコ・マリ・ド・ロ神父が、外海地区の住民が置かれた貧しい環境を改善するために授産事業として建設したものであり、重要文化財に指定されたこの救助員のほかにもマカロニ工場や漁網工場など、作物をただ生産するだけでなく消費地が求める加工品に仕上げた上で高付加価値をつけ販売する、現在において六次型産業といわれるものの先鞭をつけていたことは、注目に値する。これら地域の住民が生きていくための施設として建てられた施設群が世界遺産の候補となっている。
 今回は、目的地が異なるため遠くから拝見するのみであったが、一度改修工事前に訪れた際は、ド・ロ神父の崇高な精神に深く感じ入るとともに、明治期の外国人宣教師が持っていた高い教養と技術にも関心を覚えた。近々、世界遺産登録の前までには再訪せねばなるまい。
 
 
 
45-1-出津救助院全景(左から、授産場、製粉工場、マカロニ工場)-s

▲出津救助院全景(左から、授産場、製粉工場、マカロニ工場)

 
 
45-2-改修工事前の授産場入口-s

▲改修工事前の授産場入口

 
 
45-3-改修工事後のマカロニ工場-s

▲改修工事後のマカロニ工場

 
 
 
45-4-改修工事前のマカロニ工場とド・ロ壁-s

▲改修工事前のマカロニ工場とド・ロ壁

 
 
 

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