連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2018.05.30

file51 龍湖瀬坑

市原猛志
 
【1873年開鑿/福岡県大牟田市/炭鉱跡】
 
 三池炭鉱は筑豊や長崎などの炭鉱地帯と違い、その炭鉱史のほとんどの期間を三井一社が採掘していたが、明治初期には官営炭鉱としての歴史を持っていた。明治初期の官営時代に採掘が行われた痕跡を現在見ることは非常に困難だが、その痕跡のひとつであるという龍湖瀬坑を地元NPO関係者の案内で特別に見学することが出来た。
 写真をご覧頂いておわかりの通り、穴のような部分を除けば、ただ藪を進んでいるようにしか見えないのだが、わずかな地形の差から、トロッコ軌道などを用いて石炭を運んでいたのではないかと思わせる痕跡や、戦時中に再度炭鉱を稼働させていた時期の神社跡など、人為的な地形の名残をそこかしこに見ることができる。足下にある黒い石を拾うとたまに石炭が落ちていることもある。今は稀少になった三池炭が、まだここでは目にすることも出来る。どの炭鉱設備も手を加えない限りはこのように藪に埋もれていくのか、などと考えると、自然の力強さにはただ感服するほかない。
 
 
 
51-1-龍湖瀬坑・坑道上にあった山神社の痕跡-s

▲龍湖瀬坑・坑道上にあった山神社の痕跡

 
 
 
51-2-坑道に繋がる輸送路の石垣がかろうじて名残を留める-s

▲坑道に繋がる輸送路の石垣がかろうじて名残を留める

 
 
 
51-3-龍湖瀬坑・戦時中に再度採掘されていた際の山神社の痕跡-s

▲龍湖瀬坑・戦時中に再度採掘されていた際の山神社の痕跡

 
 
51-4-露頭坑とは龍湖瀬坑の別称-s

▲露頭坑とは龍湖瀬坑の別称

 
 
 

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