その11 今年はなぜ実をつけぬアンズ

 いよいよ梅雨入りだ。一年中でいちばん憂鬱な季節。
 それでなくとも当地、山陰地方は「弁当忘れても傘忘れるな!」と昔からいわれるほど年間降雨量の多いところ。
 梅雨とともに蚊も多くなった。気温のあがる時間帯以外は彼らの猛襲にたえねば、畑にはおられない。これも憂鬱のタネ。

 ナメクジ禍に腹をたてて、せっかく張ったネットとともにイチゴを撤去。今年もイチゴは敗北に終わった。来年は露地でなく大型プランターでの再挑戦をもくろむことに。

 ところで、去年のいまごろはわが畑の2本のアンズの木がまさに枝もたわわに橙色の実をつけて喜ばせてくれた。写真をご覧あれ!

▲実に見事なアンズの実

 まるでこりゃアンズの串団子。10キロほどのアンズを収穫して、かみさんがジャムをつくり、あちこちに配って歩いた。
 近所の古老のいわく。「こんなにアンズがなったのはみたことない。写真をテレビに投稿すべし!」
 それなのに、ああそれなのに。今年はさっぱり。花もあまり咲かなかったので、予期してはいたものの、でもなぜ?
 おそらく爺の無謀な剪定のせいだろう。収穫後に、枝が伸びて管理がしにくくなったので、ばっさりやったものだ。
 それにしても、と思い園芸本で確かめてみる。アンズがバラ科だったことをはじめて知る!花形からてっきり梅の仲間だと思っていたのに。「落葉期に長枝を切り詰めて短果枝を出させると、夏に花芽ができ、その翌年に開花、結実」とある。
 うん?落葉期?たしか収穫後すぐに葉っぱといっしょに剪定した。さすれば、花芽のできる前に切っちまったてことか?で、今年は花も実もつけなかった、てこと?うーん、参ったなあ。

 おなじことはアジサイでもやっちまった。3本のアジサイ。大きくなり過ぎたので、花後にこれもバッサリやったら、翌年はさっぱりだった。
 花の下につく花芽の上から切るのが正しい剪定だそうだ。なるほど、バラとおなじなんだ。なのに……。
 すべて爺の無知のなせる結果である。ああ、無知、無情!