その42 東北の春いまだし

 今年の春は遅い。甲子園のセンバツも終ったというのに風はまだ冷たい。
 でも、これは人間様が勝手に感じることらしい。草木や土ははっきりと春を感じて盛んに動きだしている。
 梅が散ったら、まだ堅いつぼみと思っていたアンズの淡いピンクの花が満開になった。強い風にあおられて散りはじめると、こんどは桜花が七分咲き。辛夷のつぼみもふくらんできた。
 庭の辛夷は大きな枝を大雪にぽっきり折られてしまい、去年より元気がない。でも畑の辛夷はもう満開だ。こちらはやや濃いピンク。
 手のつけられないほど増えてしまった水仙。こいつは白、黄、ラッパ水仙がいまだに満開。
 畑や庭が匂いたち、色どりがわきたつような案配だ。
 しばらく手を出さなかったせいで、はびこった雑草をとりながら、ぼんやり過ごす。
 やはり野良仕事(と言えるほどのものじゃないが)はいい。
 だが、東北の惨状に続く原発の三重苦を思うと、やはり気は晴れない。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲満開になったアンズアンズの花

▲ほころび始めた桜