春は気がはやい。駆け足でとおり過ぎようとしている(ように思える)。
畑を眺めていると、日々変化めまぐるしい。咲いたと思った花がすぐに散ってしまい、なんとも味気ない。
初夏、緑が日に日に鮮やかさを増すと、次の花が出番を待ちきれずに開花する。新緑のなかの花々はとりわけ鮮やかな顔をみせるが、なんだかあわただしく、気ぜわしいなあ。
純白、ついでピンクの牡丹が大輪を開いた。ツツジも負けてはならじと思うのか(思うはずないよなあ)、これまたガレージの両脇でピンク、白の饗宴。
あいだの藤棚のフジもほぼ満開。今年は豪雪で藤棚が崩壊、木もそうとう痛めつけられたので心配したが、どうやら咲いてくれた。例年にくらべ房が小ぶりに見えるが、まずは安堵。
午前中は蜜に誘われてハチが花に群がる。棚の下をくぐろうとすると、10匹ばかりのハチの羽音の轟音(いや、誇張じゃなく凄い音)が怖くて近づけない。
畑の奥の塀ぎわにはおよそ40本のジャーマン・アイリスが林立して満開。シャクヤク、バラが出番を待って待機中だ。
このところ花々を横目に草取りばかり。あまり面倒をみてやれなかった畑では、タマネギの葉っぱが2~3割がた折れだした。もうすこしで収穫。葉っぱを折って収穫を促す野菜って他にあるのかなあ? 不思議な植物だよなあ。
収穫したら、葉もの野菜といっしょに福島の親戚に送る。放射能のせいで、向うでは地場産の野菜が買えないと嘆いているから。
ジャガイモは芽かきを終えてまずは順調。ソラマメも花がそろそろ終わり、実がつき始めるだろう。
春が駆け足で去ってゆく。
(出雲在・三原 浩良老生)
▲ツツジとフジの饗宴
▲フジの花に群がるハチ
▲芽かきを終えたジャガイモとソラマメ