その49 梅雨の畑と庭の眼福

 梅雨の晴れ間、伸びきった花木の剪定を始める。
 梅、ユズなどの徒長枝や暴れ枝をバッサ、バッサと刈り込む。
 アレッ! 梅の枝に病気発生。いや、害虫か。葉っぱがベタベタにぬれている。アブラムシかカイガラムシか。放置すればスス病になる。木の下のバラの葉もぬれている。あわてて虫のついた枝をみんな伐る。
 ものの本には薬を撒け、と書いてあるが、マスクまでして薬を撒きたくない。面倒でもある。友人はアブラ虫退治に天敵テントウムシを捕獲して放したという。
 これだから梅雨時は嫌になる。虫の活動が活発になり、病気が出て気が抜けない。庭のコブシも新芽が食われてしまい、勝手に剪定をやってくれている。
 
 ふと畑の隅をみれば、おお! グミの実がたわわ、真っ赤に熟れている。子供のころを思い出す。下校途中に山に入ってよく食べた。いまの子供たちはもうそんなことしないだろうな。そう言えば、昔はこのころになると、子供たちの口のまわりは紫色に染まっていた。桑の実をほおばっていたから。

 シャクヤクもツツジもアヤメも散ってしまい、いまの庭はサツキがチラホラ。畑に植え替えたカキツバタが開花した。花ショウブとカキツバタ、よく似ているので爺には区別がつかないが、カキツバタだと信じている。
 梅雨どきを彩る清涼なたよりなげな花弁。アジサイが咲き出すまでの清涼剤だ。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲鈴なりのグミの実

▲カキツバタの後ろはトマト畑