その54 和洋のハーブたち

 やっと蝉が鳴きはじめた。
 なんだか今年は遅いなあ、と思っていたのだが、テレビが「今年の蝉は鳴き声に元気がない」と言っていた。
 なんでも春先の低温の影響で蝉の体内時計に変調をきたしたのではないか、という。ホントかいな?
 でも確かに鳴きはじめも遅かったし、声にもいまひとつ生彩がない。
 うるさいほどのあの大合唱、蝉時雨とはちょいと違うような気がする。
 畑を歩けば、あちこちに脱け殻や脱出孔がある。羽化したばかりのヤツが体当たりしてくる。でもなんだか型も例年よりやや小ぶりなんだなあ。
 早朝、草取りをしながら、彼らの羽化を観察する。なにやら玄妙なる気分になる。地上、あと七日の命かと思えば邪魔はできない。眺めているうちに写真を撮るのを忘れていた。

 花は咲きつづけるカモミールの黄色が鮮やか。手入れなどほとんどしないミント、ローズマリー、セージ、ラベンダーなども元気だ。さすがハーブ。
 かみさんがローズマリーを摘んで、煮だした汁を害虫予防に使えという。虫食いキャベツやキュウリにふりかける。効果は?
 和製ハーブ? のドクダミ、ヨモギもはびこっている。爺はその繁殖をもてあましているのだが、かみさんはドクダミを根から掘ってこいという。乾燥させて爺に飲ませるつもりらしい。
 この季節、青、紫のシソはただいまオン・パレード中。手入れなんてさっぱりしないのに、勝手に種を落として育ってくる。こいつは夏のソーメンの薬味に欠かせない。
 夏の花、サルスベリが咲き始めた。庭のなかに四、五本あるが、なぜか大きな木はまだ咲かない。春先、強剪定しすぎたか?

(出雲在・三原 浩良老生)

▲赤も青も勝手に生えてくれる

▲サルスベリとカモミールの競演