その64 虫の食べ残しをいただく

 枯葉の舞う季節になった。風が吹けば、庭や畑の落葉樹の葉っぱが飛んでいく。毎年のことながら、頭の痛い季節でもある。
 この落葉に苦情が出る。「ウチの庭まで飛んでくる。何とかしろ!」と叱られる。ついには「木をみんな伐っちまえ!」とのたまうご仁まであらわれてびっくり。
 謝るしかないのだが、いくら何でも立木をみんな伐採するわけには参らぬ。ばあさんと毎朝、毎夕、そこらの落葉を掃いてまわる。
 なんだか世知辛く、非寛容な世のなかになっちまったなあ。
 そう言えば、焚火も落葉の焼き芋も姿を消してかなりになる。ああ、嫌だ、いやだ。

 寒くなってきたので、今日は秋ジャガの収穫。「出島でないと秋は芽がでないよ」と種苗店のあるじが言うので「復活した幻のジャガ」という(そんなサイトがあった)出島を植えた。
 予想どおり、大きな形のいい芋だが、数は出ない。「アレッ、たったこれだけ」と、ばあさんに笑われた。憮然!
 
 小松菜、ホウレンソウ、シュンギクの二回目の間引き。びっしりせめぎあって伸びている。案の定というべきか、ほれみたことか、とホゾをかむべきか。
 狭いところにひとふくろの種をみんな蒔いてしまうと、こうなることはわかっていた。でも、でもよ。種の袋には「有効期限」半年と書いてあるのだ。ついつい、蒔いてしまうと超密植とあいなる。つれて間引きにも手間がかかる。
 おとなりの白菜は、これまた虫食いだらけ。これもわかっちゃいたけど、殺虫剤をまけなかった。虫やナメクジの食い荒らした外葉をむしると、なんとまあ、ほとんど芯だけの白菜になった。
 まあ、いっか。虫が群がるほどのおいしい白菜を作ったと納得し、虫の食べ残しをいただくことにする。
 店頭に並ぶ見るからに立派なあの白菜たちは、虫たちが嫌うほどまずいのかな?

(出雲在・三原 浩良老生)

▲これだけしか収穫できなかった

▲またも虫食いの白菜