その69 やっと蕗の薹が……

 二週間ぶりに畑に出る。雪と雨でなかなか出られなかったのだ。狭い畑をひとまわりして春をさがす。
 おおっ、雑草のなかからやっと蕗の薹が姿をみせた。一週間まえにはまだ姿はなかった。今夜はこいつを味噌和えと天ぷらにしていただくことにする。
 サンシユは色づいてきたが、梅もコブシもまだつぼみは固い。
 テレビはなにもかも今年は二週間遅れと言っていたが、加えて爺の手入れも悪いから、花木のご機嫌をそこねているらしい。
 隣りの庭からパチン、パチンと剪定の音がする。やはり隣家も……。
 「いまのうちに肥やしをやらんと、バラもうまく咲かんよ!」と、立木のあいだから声あり。
 明日は発酵鶏糞を求めて根元にばらまき、ご機嫌をとりむすぶことにしよう。雨にならなければいいが。
 
 取り残していたタマネギ畑の雑草を引き抜いて、土寄せと追肥。葉物野菜のあとに春野菜の床づくり。息切れしながらひと汗かいて、やっと予定の作業を終える。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲雑草のなかから蕗の薹が

▲芽吹いてきたサンシユ