その73 これから本番、花の宴

 寒い春が一気に初夏になったような陽気だ。植物たちの顔色が日々変わっていく。
 サクラ、アンズ、コブシ……木の花はたいてい散ってしまった。いまは山吹や雪柳くらいか。と思ってふりかえると、ものすごい雑草群のなかでボケの小木が紅白ともに満開。白は今年はじめて咲いたような気がする。
 
 いれかわるように地の花たちが百花繚乱の宴をひらきはじめた。
 あちこちに植えた春定番のチューリップが先陣を切って咲き始めたが、去年植えたばかりのチリメン模様のかわった花を咲かす種は一本だけが開花。ほかはどうも腐ってしまったようだ。
 「原種が一番強いね。バイオで作った新品種は弱い弱い」
 花好きで物知りの隣家の奥様の解説。さもあらん、地中深く埋まっていて突然めざめた白と黄の花が一番元気がよい。
 その向こうの小型のキンセンカのような宿根草(「冬知らず」と言うらしい)、これも切っても引っこ抜いても増殖を続ける可憐な花だ。
 ツツジもフジもボタンも、つぼみがふくらんで宴への参加を待ち構えている風情。
 
 せめて花のまわりだけでも雑草をとってやろうと、腰痛かえりみず草取りに励むが、なかなか進まぬ。雑草の山を前にすると、気持が萎えそうになる。春先サボッた報い。誰に文句も言いようがない。
 それでも畑では、ソラマメ、エンドウも花をつけ始めた。ジャガイモも予定通りの発芽、植えつけた野菜たちもまずは順調に活着したようだ。
 気の遠くなりそうな草取りが続く。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲雑草の中で満開の紅白のボケの小木

▲チューリップの向こうは冬知らずの乱舞

▲ソラマメもエンドウも開花