その74 イチハツって火災予防のおまじない?

 二、三日強風が吹き荒れた。春の嵐。お隣り・鳥取県大山のふもとではトラックが高速道で四、五台も寝転んでいた。
 おかげで満開の花はたいてい吹き飛んでしまい、かわって緑がいちだんと鮮やかになってきた。
 植えたばかりのキュウリの苗が根元から折れていた。根切り虫の仕業? とも思ったが、どこにもきれっぱしが見当たらぬ。やはり強風になぎ倒され、吹っ飛ばされたようだ。
 あわてて苗物屋さんに走りこんで、植えなおす。今度ははじめから支柱を建てた。
 ここ数日、晴れ間をみては、草取り。腰が痛いが、我慢、我慢。現金なもので、咲き始めた花のまわりをまず優先する。
 
 草むらでイチハツが開花しはじめた。この花、一見、ジャーマンアイリスと似て間違えそうになる。どちらもアヤメ科の仲間。ジャーマンの方が花期がもう少しあとかな?
 広辞苑によれば、イチハツは火災予防になると信じられ、わら屋根のうえによく植えられたそうな。ヘエーッ、何で火事よけになるの?
 そう言えば、江戸近郊の農家のわら屋根にイチハツがいっぱい植わっている西洋絵師の絵をみたことがあったなあ。火よけだったんだ。
 
 草取りは、畑を囲む四方のほぼ半分がやっと終った。でもご覧のとおり、大物が残っている。膝丈くらいまで伸びた草むらにこれから挑むが、眺めただけでも気が遠くなりそう。
 でも草むらで蕗が首を伸ばしはじめている。「早く、早く」とせかされているようで、腰痛なんて泣きごとなど言ってられないようだ。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲イチハツも咲き始めた

▲草に埋もれて蕗は息もたえだえ?