その82 夏の剪定はつらいなあ

「カミサンが畑の桑の実をジャムにすると言ってる」
 友人からのメールにこうあった。おお、懐かしや、桑の実!
 養蚕がまだ盛んだった子供のころ、近所には桑畑がならんでいた。季節になると、子供たちは次々口に放り込んで、口のまわりはみんな紫色だったなあ。いまでは桑畑なんて見かけることもない。
 そういえば、わが畑のグミは今年はどうなっている? 
 のぞいてみれば、こちらも真っ赤に実り、枝もたわわ。口に含むとほんのり甘いが、舌に渋みが残る。子供のころ、下校途中で山にはいり、よく食べた。
 
 桑の実は童謡に、グミの実はロシア民謡に歌われているが、歌のほうもあんまり聴かなくなった。 
「ジャムにしたら」とわが家のカミサンにすすめてみると、「う~ん、もうすぐアンズが実るから」とやんわり断られた。さもあるか。今年も赤い実は土となるか。
 
 梅雨の晴れ間、遅れていた花木の剪定にとりかかる。
 ウメ、ロウバイ、ユズ、ザクロ、コブシ、カキ……。今日はここまで。汗だくで脚立に乗ってフラフラしながら4時間余。ヒコバエを伐り、徒長枝や平行枝をばっさり。ウメやロウバイには虫がついていたので、ばっさばっさと強剪定。やっと風が通るようになった。
 でもこれでおよそ3分の1くらいか。おお、疲れた。腕が笑っている。指が吊る。
 
 咢アジサイが咲きはじめた。でもやはりアジサイは雨にぬれないと、風情がないよなあ。
 降れば降ったで文句をいう癖になあ。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲たわわに実るグミ

▲やはりアジサイには雨が似合うよなあ