その84 カラスと戦っても勝ち目はない?

 梅雨の晴れ間をぬって、剪定をつづける。
 100坪の畑をコの字型に囲んで木が並ぶ。秋になると、この葉っぱが「ウチの庭に落ちて困る」と裏の旦那から叱られるので、思いきってばっさりと強剪定する。
 剪定二日目はまず夏ミカンから。3年前にやはり強剪定をやってから花も咲かず、実もつけなくなった。このぶんじゃ、来年も無理か。
 サルスベリが3本。ちょうど花芽の分化するころだ。剪定の適期じゃないが、若い芽に病気がついているので、やはり強剪定。こちらも今年の秋は期待でぬかもなあ。
 ウメの古木も今年は花も実も少なめだったので思いきって、バッサ、バッサと。紫式部は開花したばかりだから、弱めの剪定。その他2、3本。
 脚立から転げ落ちそうになり、指にはマメが三つもできてつぶれた。でもこれでさっぱりした。
 切った葉っぱや小枝で、45リットル入りのゴミ袋10個がいっぱいになった。
 さすがに爺はお疲れ。
 
 翌朝のことだ。きのうから色づきはじめたトマトが消えている。はじめて植えた人気のミニ、アイコ2、3個が姿を消し、食い散らかした桃太郎がとなりの畑に転がっているではないか!
 ああ、今年もまたカラスに先を越されたか。おとどしはスイカ、イチゴをすっかりやられた。去年はトマト……。
 あわてて、手持ちのネットをトマト畑のまわりに張りめぐらす。これで防げるか?
 夕方、出て見ると、またとられている。ああ、アルジより先に熟れたトマトを口にする不逞のヤカラ。どうしてくれようか。爺は怒り心頭である。
 ネットの下からもぐりこむのか、はたまた隙間から突っつくのか? 見当もつかぬ。
 これ以上は打つテを思いつかぬ。四六時中見張るわけにもいかないしなあ、ムム。
 思案していると、電線からこちらを睥睨するカラスがひと声鳴いて飛び去った。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲剪定で丸坊主にされた夏ミカン

▲哀れ、トマトはネット囲いに