その86 嫌いなトマトに手を出すようになった

 九州や太平洋岸ほどではないが、それでも雷鳴、強風、土砂降りが続いた。
 小降りになった畑に出てみると、茎の長いグラジオラスやダリヤ、桔梗の花はなぎ倒され、キュウリも根元からポキリ。やれやれ。
 2日ぶりに野菜の収穫。水を吸って大きくなったキュウリもナスも雨にたたかれ、泥まみれ。
 はちきれそうになったでかいトマトが雨に打たれて、ひび割れている。色づいたら早くとらねば、と思いつつ、雨に負けてズルしたせいでこの始末。
 
 熟れたトマトを収穫する。桃太郎、ミニ、アイコとりどり。かごにいっぱいになった。
 さて、とてもこんなに食べられるわけがない。隣家のおかみさんにおすそ分け。でもこんなに残ってしまう。
 
 もともと爺はトマト嫌いだった。葉っぱの香りはなぜか好きなのだが、実となると敬遠してきた。
 トマトの原産地、南米ペルーの栽培法に学んだという「緑健トマト」という糖度の高いファースト・トマトを口にしてからというもの、よけい嫌いになった。
 でもあの農法はシロウトが簡単にマネできるものじゃない。で、嫌いのままに過ごしてきたのだが、ここにきて自分が作って食わぬのもおかしなものだと、食卓のトマトに手をだすようになった。
 これが結構イケルのだ。徐々に口にする数がふえてきた。勝手なものだ。
 でも、毎朝こんなにとれてはとても食べきれぬ。ジュースにでも加工して保存しておくか。
 
 どうやら雨もあがった様子だ。
 明日からまた残った立木の剪定と、秋野菜の床づくりに汗を流すか。雨のおかげで草も伸びてきたようだから。

(出雲在・三原 浩良老生)

▲カラスに少し分けてやってもよかったかな?