セルタンとリトラル

世界地図を広げるとブラジルの面積は広大であることがわかる。日本からの移民も多く、ポルトガル語が公用語であることもよく知られている。北西部のアマゾンの森、南部のリオ・デ・ジャネイロ、サン・パウロなどとは風土がまったく異なる北東部ノルデステで、公衆衛生学者として10年間暮らして体感し思索した深みのあるノンフィクションである。
 いわゆる「近代化」を拒む独特な風土を、著者独自の観察眼でユーモアを混じえて語り、命、美、死の受容、言葉以前の話など多くの示唆に富んだ出色の文化人類学的エッセイ。

【書評等掲載情報】
日本経済新聞2022年5月21日(土)付 
週刊読書人2022年6月3日(金)付 奥田若菜・神田外語大学准教授
西日本新聞2022年6月4日(土)付
東京新聞2022年7月16日(土)付 松村圭一郎・岡山大学准教授
中日新聞2022年7月17日(日)付 同