弦書房週報 第16号(2010.3.23)

熊本県荒尾市の旧三池炭鉱万田坑が4月25日に一般公開。世界遺産登録をめざして保存と活用の具体策がまたれます。→新刊『三池炭鉱遺産--万田坑と宮原坑』(高木尚雄・1995円)
→小社刊の関連書 『地底の声 三池炭鉱写真誌』(2625円)『筑豊の近代化遺産』(2310円)『ポケット判 北九州・筑豊の近代化遺産100選』(1500円)

長崎県の端島=軍艦島は観光遺産として一般公開がすでにはじまっています。問い合わせは長崎市役所へ。この島が持つ苦難の歴史をぬきにして、ただ見学することはできません、端島炭鉱という石炭産業がどのような歴史をもつのかに正面から取り組んだ本が出来ます。→ 新刊『筑豊・軍艦島--朝鮮人強制連行をたどる』(林えいだい・2100円)

街並み観察や路地歩きが活発になっています。何を見るのか、建物にどのような歴史があるのか、古くなった建築物を保存して楽しむにはどうすればよいのか。〈スローシティ〉ということばがイタリアから発信されています。イタリアと日本の街のあり方を比較研究されている法政大学の陣内秀信氏の新刊が5月にでます。乞ご期待。

平川祐弘氏の『日本語は生きのびるか 米中日の文化史的三角関係』(河出書房新社刊)が注目されています。常に複数の文化圏の中で日本の文化を比較研究してきた平川氏独自の視点が、読者にも日本語の未来について考えさせます。小社の『書物の声 歴史の声』(2415円)もおすすめします。

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