file23 新津石油の里公園

市原猛志
 
【新津石油:1874年~1996年採掘終了/新潟市秋葉区/鉄骨造(石油井戸櫓)ほか】
 
 上田駅から金沢延伸後初の乗車となる北陸新幹線を経由し、上越妙高駅へ。徐々に涼しくなっていく気候を感じながら、在来線に乗り換え新潟方面へ向かう。降り立ったのは、矢代田駅。ここからしばらく歩き、北陸地方の今回の目的地である、「石油の世界館」にたどり着いた。
 日本における石油は現在ほとんど海外からの輸入に頼っているが、ごくわずかに国内で石油を産出するところがあり、その地域のひとつが新潟である。中でも新津油田は地域資本による大規模な採掘が行われ、平成に入るまで石油が採られていたというから、九州の人間にとってこれは大きな驚きである。
 油田の跡地は早いうちから産業遺産としての保存措置が講じられ、山間部のポンピングマシーンとともに保存公開、周辺の記念施設を含め「石油の里公園」として一般に開放されている。2008年には経済産業省の近代化産業遺産にも認定された。
 もうひとつの見学目的地と考えていた、地域の庄屋であり石油で財を成した中野貫一の旧邸宅・中野邸美術館は、3月中は冬季長期休館中で残念ながら見学出来ず、次回への課題となった。
 
 
 
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▲新津・石油の世界館

 
 
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▲C86号井・綱式機械堀石油井戸