母への遺書 沖縄特攻 林市造
特攻を美談にしてはならない

四六判・並製・216頁
ISBN978-4-902116-83-0 C0023
定価 1600円 (+税)
2006年4月発行
紹介

沖縄特攻学徒兵・林市造(京都大学)は、「私は賛美歌を歌いながら敵艦隊に突っ込みます」と哀切極まる母への遺書を書き残して南の海に散った。この遺書は『きけわだつみのこえ』など、多くの戦記関連書にも収録されている。
 出撃前夜まで家族への愛と国家への忠誠のはざまで悩みつつも、引き裂かれた思いを振り切るように出撃した林の23年の生涯をたどりながら、〈作戦の外道〉と呼ばれた特攻の実態を暴き、非戦を訴える。

著者

多田 茂治

ただ・しげはる
ただ・しげはる

1928年福岡県小郡市生まれ。九州大学経済学部卒業。2020年5月逝去。
著書に『グラバー家の最期』(葦書房)『大正アナキストの夢』(土筆社)『内なるシベリア抑留体験』(社会思想社)『石原吉郎「昭和」の旅』(作品社)『夢野久作読本』(第57回日本推理作家協会賞)『母への遺書――沖縄特攻林市造』『夢野久作と杉山一族』(以上、弦書房)など。

弦書房より発行の関連書籍

満洲・重い鎖
夢野久作読本
玉葱の画家