紹介
虚構の時代の果て、希望は見えたか―
戦後の「理想の時代」、高度成長期の「夢の時代」、その後の「虚構の時代」……、そして今、「人類はひとつの生物種が一度だけ体験する、大きな曲がり角にいる」。現代社会はどこに向かうのか。未来に希望はあるのか。世代を超えた思想家、社会学者たちに絶大なる影響を与えてきた社会学の第一人者による待望の講演録。見田社会学のエッセンス、この一冊に。
目次
二つの無差別殺人事件/未来の喪失/縮小する世代間ギャップ/「まなざしの不在」の地獄/大爆発期としての近代/変曲点としての現代/GMの君臨と破綻/マーケットの無限化/大量生産・大量消費・大量廃棄/フィクションの時代/せめぎ合う二つのベクトル/征服から共存へ/リアリティへの飢え/新たな時代に向けて
著者
見田 宗介
みた・むねすけ
1937年東京生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。主な著書に『現代日本の精神構造』(弘文堂)『現代社会の理論』『社会学入門』(ともに岩波新書)『まなざしの地獄』(河出書房新社)など。また、真木悠介の筆名で『気流の鳴る音』(筑摩書房)『時間の比較社会学』『自我の起源』(ともに岩波現代文庫)など。2011年11月から『定本見田宗介著作集』(岩波書店)を刊行中。