紹介
【夢野久作・生誕125周年】天才芸術家は作品を通して未来を予測する――夢野久作こそまさにこの言葉を実践していた小説家であった。わたしたちが彼の作品から学ぶべきものは、実はたくさんある……夢野久作を読むという行為は、これからも、いやこれからこそ、真に開始されなければならない。
目次
宮沢賢治と比較する
日本の伝統文化と西洋の新思潮
巨大な父/三人の息子
福岡という特別の場所
『近世快人伝』の面白さ
繁栄と廃墟の東京
第三の空間――ロシアと満洲
満洲と韓国の連続性
大震災の東京に入る
ジャーナリスト・久作
「群衆」というアポリア
三・一一報道と何が違うのか
『暗黒公使』の世界
「日本人の堕落時代」へ
◉夢野久作略年譜
著者
四方田 犬彦
よもた・いぬひこ
映画史家、明治学院大学教授。1953年西宮生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を専攻。その後、韓国の建国大学で客員教授を務めて以来、コロンビア大学、ボローニャ大学などで客員研究員を務める。2004年にはテルアヴィヴ大学や、コソヴォ難民によるプリシュティナ大学分校で客員教授を務めた。現在、明治学院大学教授での専攻は映画史。文学、都市、漫画、美術、音楽、料理など広い領域にわたって批評活動を展開している。主な著書・編著書に『貴種と転生-中上健次』(ちくま学芸文庫)『電影風雲』(白水社)『李香蘭と原節子』(岩波現代文庫)『日本映画は生きている 全8巻』(共編、岩波書店)『アジアの文化は越境する』(弦書房)『大島渚と日本』(筑摩書房)『ルイス・ブニュエル』(作品社)他多数。ポール・ボールズ、エドワード・サイード、ピエル・パゾリーニも翻訳した。
弦書房より発行の関連書籍
夢野久作読本 | |
夢野久作と杉山一族 |