五高・東光会
日本精神を死守した一八五人

四六判/216ページ/並製
978-4-86329-183-6
定価 2000円 (+税)
2018年12月発行
紹介

彼らが守ろうとした精神、そして後世に伝えようとしたことは何か。
大正12年(1923)、熊本の旧制第五高等学校に「東光会」という学生団体が誕生した。「光は東方より」をもじったこの会の志は高く、当時、西欧からの思想・風潮がなだれ込んでいた渦中で、「日本精神を守れ」「アジアを西欧列強の植民地から解放せよ」という檄を飛ばし、帝大から満州へ雄飛した学生も多かった。大川周明、北一輝から薫陶を受け、戦後は、政、官、司法、教育、宗教各界の中心で活躍した。本書は、彼らの実態と人脈に迫り、特異な存在を明らかにした労作。巻末に185名の会員名簿も付した。

目次

【目次から】
Ⅰ 東光会発足から敗戦まで

 第1章 東光会結成、修養の日々
  大川周明からの薫陶
 第2章 五高から帝国大学へ
  四元義隆との交誼
 第3章 なぜ満州をめざしたのか
  満州建国に飛び込む
 第4章 会報「東光」
  日中戦争の色濃く
 第5章 東光会本部・石田家の山荘
  家主の窮状救済
 第6章 日中戦争から太平洋戦争へ
  結成二〇周年

Ⅱ 戦後を生きる

 第1章 敗戦、そして過酷な運命
  九大生体解剖事件に連座
 第2章 尊皇・神学の系譜
  伊勢神宮少宮司の要職
 第3章 反骨精神
  水俣病患者支援、「義によって助太刀いたす」
 第4章 五高・東光会を忘れてはならない
  記念碑建立

◆東光会 会員名簿

著者

荒牧 邦三

あらまき・くにぞう

1947年、熊本県生まれ。熊本日日新聞社社会部長、論説委員、常務取締役を歴任。前熊日会館社長。
著書に『満州国の最期を背負った男 星子敏雄』(弦書房)、『ルポ・くまもとの被差別部落』(熊本日日新聞社)、共著『ここにも差別が―ジャーナリストの見た部落問題』(解放出版社)などがある。

弦書房より発行の関連書籍

満州国の最期を背負った男 星子敏雄