紹介
トカラ列島の島々は独特な生活習慣を持っている。海洋を移動する人々(交易や漁に従事する人々)にとってトカラ列島、特にその中心である平島(たいらじま)は特異な存在として知られている。著者はこの島に十数年暮らし、島独自の習慣、ことば等を知識としてではなく生き方として血肉化させた。現在は千葉県で竹細工職人として暮らしているが、島暮らしは「もうひとつのニッポン」として常に意識されるため、その強烈な記憶と体験をもとに《暮らし大事典》としてまとめたのが本書だ。まさに日本に二つとない本。事典でもあり、存分に楽しめる読み物でもある。
【書評等掲載情報】
琉球新報2024年2月18日(日)共同通信
徳島新聞2024年2月23日(金)共同通信
日本海新聞2024年2月24日(土)共同通信
西日本新聞2024年3月2日(土)付 前山光則・作家
南日本新聞2024年4月2日(火)付 兵頭昌岳・記者
南日本新聞2024年4月7日(日)編集日誌
新潟日報2024年4月8日(月)共同通信
著者
稲垣 尚友
いながき なおとも
1942年生まれ。トカラ諸島(臥蛇島、平島)での暮らしをへて、現在、竹細工職人。著書に『密林のなかの書斎――琉球弧北端の島の日常』『十七年目のトカラ』(以上、梟社)、『山羊と焼酎』『悲しきトカラ』(以上、未來社)、『青春彷徨』(福音館)、『日琉境界の島 臥蛇島の手当金制度』(CD版本 NJS出版)、『灘渡る古層の響き――平島放送速記録を読む』(みずのわ出版)、『臥蛇島金銭入出帳』(ボン工房)、『戦場の漂流者・千二百分の一の二等兵』『占領下のトカラ――北緯三十度以南で生きる』(以上、弦書房)などがある。