熊本地震2016の記憶
 

A5判/168頁/並製
978-4-86329-149-2
定価 1800円 (+税)
2017年3月発行
紹介

人間は捨てたものではない、いま私は強くそう感じている。未来の人間のあらまほしき姿が、惨事の中から立ち現われた。3.11のときもそうだったのだろう。これから必然となる復興の過程で、この姿が歪んだり、消え失せたりするかどうかは、私たち自身にかかっている【渡辺京二】
前震と本震=2度の震度7。さらに4000回を超える余震。さまざまな衝撃と被害を整理し、再びおこりうる危機に備えて、この体験と想いを忘れぬよう書き残しておかねばならない。本書は、その願いを込めて編集された。復興への希望は、記録と記憶のなかにある。

目次

【Ⅰ】想う
・熊本の地から 私には友がいた!〈渡辺京二〉
・「おそれ」という生命感覚が呼び戻された〈緒方正人〉
・一変した古里の風景〈高峰武〉
・存問と息災〈岩岡中正〉
・暮らしが消えた故郷〈浪床敬子〉
・当事者・研究者としての視点で〈和田要〉
・南阿蘇の今、これから〈毛利聖一〉

【Ⅱ】詠む
・地震俳句 驚愕から復興へ〈岩岡中正〉

【Ⅲ】書く
・古書店主の震災日記〈河島一夫〉

【Ⅳ】繋ぐ
・古文書から読み解く震災〈稲葉継陽〉

【Ⅴ】資料
・熊本地震メモ/熊本地震の経過

著者

岩岡 中正

いわなか・なかまさ

昭和23年、熊本市生まれ。熊本大学名誉教授、博士(法学)、俳誌「阿蘇」主宰。著書に『詩の政治学―イギリス・ロマン主義政治思想研究』『石牟礼道子の世界』『ロマン主義から石牟礼道子へ』『虚子と現代』『子規と現代』。句集に『春雪』『夏薊』『相聞』。

高峰 武

たかみね・たけし

1952年熊本県玉名市生まれ。早稲田大学卒。熊本日日新聞社編集局長、論説委員長、論説主幹を経て現在、論説顧問。著書・共著に『ルポ精神医療』(日本評論社)、『検証ハンセン病史』(河出書房新社)、岩波ブックレット『水俣病を知っていますか』『熊本地震2016の記憶』『8のテーマで読む水俣病』『生き直す 免田栄という軌跡』(弦書房)、『検証・免田事件[資料]1948年(事件発生)から2020年(免田栄の死)まで』(現代人文社)がある。

弦書房より発行の関連書籍

やおいかん熊本地震
熊本城のかたち
熊本の近代化遺産《上》
熊本の近代化遺産《下》