かくれキリシタンの起源
信仰と信者の実相

A5判/504ページ/上製/【カラー口絵付】
978-4-86329-165-2
定価 4000円 (+税)
2018年3月発行
紹介

現在も継承される、かくれキリシタン信仰の全容を明らかにする。「信仰を変容させた信者」という従来のイメージをくつがえし、長年の「かくれキリシタン」論争に終止符を打つ。
20年におよぶ多角的な研究から見えてきたのは、400年前の宣教師たちが日本人の精神と暮らしを理解して創出した「日本人のキリスト教」と、それを禁教の時代にも守り続けるために信者が選択した「信仰並存」という形だった。
250年にわたる禁教時代を越え、400年間変わらず継承された信仰の実像に迫る。

目次

【目次より】

第一章 かくれキリシタンについての考え方
   一 かくれキリシタンの捉え方
   二 従来のかくれキリシタン理解
   三 かくれキリシタン認識の問題点
   四 かくれキリシタンとは何か

第二章 かくれキリシタン信仰の実相
   一 平戸地方(長崎県平戸市生月島・平戸島西岸)
   二 浦上(長崎県長崎市)
   三 外海地方(長崎県長崎市)
   四 五島地方(長崎県五島市・新上五島町)
   五 下天草地方(熊本県天草市今富)
   六 今村(福岡県三井郡大刀洗町)
   七 千提寺・下音羽(大阪府茨木市
   (それぞれの地域ごとに)歴史/信仰組織/聖地/信仰物/行事
    /オラショ/他の宗教・信仰との関係

第三章 かくれキリシタン信仰の成立過程
   一 信仰史の概要
   二 キリシタンの組織
   三 信仰施設・聖地
   四 信仰具
   五 行事
   六 オラショ
   七 他の宗教・信仰との関係

第四章 かくれキリシタン信者の経済活動
   一 かくれキリシタン信者の暮らしの理解
    「弾圧落ちのび説」とは何か
   二 地域毎の生業・経済

第五章 イメージとしてのかくれキリシタン
   一 キリシタン・かくれキリシタンイメージの変遷
    かくれキリシタン像への違和感
   二 「虚構のかくれキリシタン」の問題

終章 かくれキリシタンとは何か
   総論
    キリシタン信仰の成立とかくれキリシタン信仰の起源
    「日本人のキリスト教」創出の果て

【関連資料】

著者

中園 成生

なかぞの・しげお

1963年福岡県生まれ。平戸市生月島博物館・島の館学芸員。熊本大学文学部(民俗学)卒業。捕鯨史やかくれキリシタン信仰の調査・研究に取り組む。
著書に『鯨取り絵物語』(共著)『かくれキリシタンとは何か』(以上、弦書房)『かくれキリシタンの聖画』(共著、小学館)他。

弦書房より発行の関連書籍

かくれキリシタンとは何か
鯨取り絵物語