紹介
人間が存在していることの不思議を思い、そして、自分が存在していることの実感を、母との空間の中に感じ取ろうとした、思索の軌跡。
私は、53歳から65歳まで、神経症の中にいました。それからようやく抜け出て、この世に帰って来た と、まさに感じさせられました。……人が生きているかなしさ、このかなしさこそ、伝えておくべきではないか。存在していることの厳粛な深淵。これらに肉薄したいと思いました。(本書「あとがき」から)
目次
母の帰り
一 かなしき大学生
二 就職
三 幼少時
四 成長期
五 通勤
六 アパート
七 アジの煮付け
八 老後の福音
言の葉
著者
大山 秋象
おおやま・あきかた
佐賀県出身。地方公務員職に従事、2011年(58歳)で退職。退職前後に神経症となる。大阪文学学校本科終了、「第23回ふくい風花随筆文学賞」入賞、現在に到る。著書『ゲップが止まらない 神経症をめぐる随想』(2020年、弦書房)