紹介
「お化け」はアジア独自の財産?ヨーロッパに比べて、文化的、社会的、地理的に複雑な「アジア」を日本・韓国・香港・タイの芸術家と研究者らが論じ合った。本書は、ヨーロッパの枠組みでは表現できない怪奇映画、現代文学、現代美術が元来持っている独自性と、グローバル化による相互の情報交流から生まれる類似性などについて語り合う中から、アジアは常に千のアジアとして多様な形態で存在することを具体的に示した。
著者
四方田 犬彦
よもた・いぬひこ
映画史家、明治学院大学教授。1953年西宮生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を専攻。その後、韓国の建国大学で客員教授を務めて以来、コロンビア大学、ボローニャ大学などで客員研究員を務める。2004年にはテルアヴィヴ大学や、コソヴォ難民によるプリシュティナ大学分校で客員教授を務めた。現在、明治学院大学教授での専攻は映画史。文学、都市、漫画、美術、音楽、料理など広い領域にわたって批評活動を展開している。主な著書・編著書に『貴種と転生-中上健次』(ちくま学芸文庫)『電影風雲』(白水社)『李香蘭と原節子』(岩波現代文庫)『日本映画は生きている 全8巻』(共編、岩波書店)『アジアの文化は越境する』(弦書房)『大島渚と日本』(筑摩書房)『ルイス・ブニュエル』(作品社)他多数。ポール・ボールズ、エドワード・サイード、ピエル・パゾリーニも翻訳した。
弦書房より発行の関連書籍
いま〈アジア〉をどう語るか |