紹介
論語の魅力は、多くの人たちが語り継いでおり、その解説書も子供向けのものも含めて多く出版されている。本書の著者は、幕末の私塾・蔵春園(福岡県豊前市)を1824年に開設した恒遠醒窓(つねとおせいそう)の子孫。その蔵春園でも「論語」が教科書として使われていた。著者は、日々のくらしを大切にしようとする仲間たちと、五年間にわたって〈論語〉の世界に耳を傾け続ける。どんな生き方ができるのか、学びの喜びをかみしめながら〈論語〉を拠りどころとして、支え合い分かち合う世界を求めて綴った一冊。
目次
はじめに
Ⅰ 学ぶこと
学ぶことの歓び
ふりかえるということ
真に学ぶということ
無知の知
温故知新
人はみな過ちをおかす
成長社会から成熟社会へ
Ⅱ 生きること、そして死んでゆくこと
どんな生き方ができるのか
終わりを慎み、遠きを追う
礼楽一致
他人を思いやる心
Ⅲ 民信無くば立たずことばの大切さを想う
論語と教育勅語
星の世界のように調和のとれた政治を夢見て
民信無くば立たず
孟子
著者
恒遠 俊輔
つねとお としすけ
一九四四年 福岡県豊前市生まれ。早稲田大学文学部史学科卒。福岡県内で高校教諭を勤めたのち、福岡県立求菩提資料館館長。現在、日本山岳修験学会理事、(一社)豊前市芸術文化振興協会理事長、豊前市自然と文化財を守る会会長、豊前市文化財保護審議会会長
*おもな著書
『幕末の私塾・蔵春園―教育の源流を訪ねて―』葦書房
『天狗たちの森―求菩提山と修験道』葦書房
『修験道文化考―今こそ学びたい共存のための知恵―』花乱社