高塔幻視

224頁
978-4-86329-307-6
定価 1800円 (+税)
2025年6月発行
紹介

風景を喚起、記憶を生動させる「陸標(ランドマーク)小説」集。
——去り行く世紀を幻視させる旧海軍無線塔、断頭台に似て輝かしくも血なまぐさい北京天安門、元素的に耀(かがよ)う象徴の庭=エアーズロック、シアトルに現れた新世紀モノリス――
「場」の持つ密度から出発し、忘却された時空に愛惜すべきものを照射する五つの物語。

目次

高塔幻視
虚ろの砦
兵馬俑少年の冬
ユララ
ゲージング――新世紀アメリカの風景

著者

丹生 秋彦

にぶ・あきひこ

1958年 大分県生まれ。京都大学文学部卒。
1993年 詩集『新羅の壺』(本多企画)
1998年 長篇小説『夢の傾斜』(第一回四谷ラウンド文学賞)
1999年 短篇集『天馬』(四谷ラウンド)
2000年 長編小説『シドニーハウス』(四谷ラウンド)
2004年 詩集『球体のアリス』(本多企画)
2012年 定義詩集『言霊のハルモニア』(市井文学)
2018年 短篇集『天馬』(書肆侃々房)
 福岡県太宰府市在住。「季刊午前」同人。
 文芸誌「たっきりあ」主宰。