紹介
小笠原諸島からみた近代日本の外交史。かつて無人島(ムニンシマ)と呼ばれた世界自然遺産の島々が、1968年の返還から46周年。延宝3年(1675)日本人として初めて島々を探検した嶋谷市左衛門とは何者なのか。そのときの航海術はどこから学んだのか。そして船はどのような型だったのか。どのようにして辿り着いたのか。幕末期、なぜ島々は「小笠原」と呼ばれるようになったのか。明治9年(1876)小笠原諸島はなぜ日本の領土になりえたのか。本書は、それらの疑問点を『嶋谷市左衛門覚書』(17世紀後半)『三国通覧図説』(林子平、1785年)さらに『仏訳・三国通覧図説』(クラプロート訳、1832年)を中心に解き明かしてゆく。
目次
第1章 小笠原諸島の発見
第2章 日本人の大航海時代
第3章 小笠原探検
第4章「無人島」から「ボニンアイランド」へ
第5章 太平洋の世紀
第6章 ペリー提督の小笠原
第7章 幕末の小笠原
* 小笠原をめぐる主要関連年表
著者
松尾 龍之介
まつお・りゅうのすけ
昭和21年、長崎市生まれ。洋学史研究会会員。主な著書に『長崎蘭学の巨人―志筑忠雄とその時代』(弦書房)、『長崎を識らずして江戸を語るなかれ』(平凡社)、『幕末の奇跡―〈黒船〉を造ったサムライたち』『鎖国の地球儀―江戸の〈世界〉ものしり帖』(以上、弦書房)他。
弦書房より発行の関連書籍
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