紹介
日本思想史上の巨星・明恵(1173~1232)。知られざるその全生涯を描く初の長編歴史小説。現代社会にも通じる明恵上人の生き方・思想を耽読できる重厚な全2巻。
【上巻】鎌倉初期、戦乱と飢餓、疫病が蔓延する中で、衆生救済とは何なのかを命を賭して考え続けた高僧・明恵。政情不安の解消や商業活動の活性化などではなく、人々の心の内にある意識の変革と覚醒に働きかけた彼の思想の核心に迫る。多くの人が人生の最後に高山寺・明恵上人に辿り着き、自分自身を知り人が人としてあるべき形とは何かに気づかされると言われている。
目次
【上巻・目次】
一 転生
二 怪僧文覚
三 頼朝と政子
四 奢る平家
五 母の死
六 頼朝挙兵
七 孤児
八 明恵房成弁
◎明恵上人年譜
【下巻・目次】
一 神護寺逃亡
二 初恋
三 紀州放浪
四 渡天竺の夢
五 栂尾・高山寺へ
六 法然寂滅
七 承久の乱
八 善妙寺の女たち
九 寛喜の大飢饉
十 別れ
◎明恵上人年譜
著者
高瀬 千図
たかせ・ちず
1945年、長崎県生まれ。作家、カウンセラー。
1984年、『イチの朝』で芥川賞候補。『夏の淵』で新潮新人賞受賞、芥川賞候補。主な著書に『風の家』(講談社)、『天の曳航』(講談社)、『道真』上・下(NHK出版)、『龍になった女―北条政子の真実』(Y’zネット社)など。