紹介
名著『逝きし世の面影』などで知られる渡辺京二氏は日本近代史家の顔と同時に語りの名手でもある。よどみなく独特のリズムで語られる多彩な物語は、若い世代から団塊の世代まで親しまれている。本書の発言の数々の中には、次の世代に伝えておきたいことが、楽しい話とともにたくさん詰めこまれている。
「自分が自分の主人公として独立する」「この世ともうひとつのこの世のはざまで生きる」とはどういうことなのか。著者の声にふれながら自分は今どうすべきなのかを考えさせてくれる慈愛に満ちた一冊。
目次
Ⅰ
石牟礼道子の草文
三回忌に
幻のえにし
Ⅱ
熊本の文芸を辿る
二元論のはざまで生きる
ファンタジーを語る
Ⅲ
激励
『アルテリ』創刊始末
渡辺京二 二万字インタビュー1
渡辺京二 二万字インタビュー2
渡辺京二 二万字インタビュー3
著者
渡辺 京二
わたなべ・きょうじ
1930年、京都市生まれ。熊本市在住。日本近代史家。主な著書に『北一輝』(毎日出版文化賞、朝日新聞社)『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞、平凡社)『近代をどう超えるか―渡辺京二対談集』『もうひとつのこの世-石牟礼道子の宇宙』『死民と日常―私の水俣病闘争』『万象の訪れ-わが思索』『預言の哀しみ―石牟礼道子の宇宙Ⅱ』『江戸という幻景』『荒野に立つ虹』『未踏の野を過ぎて』『幻のえにし-渡辺京二発言集』『肩書のない人生—渡辺京二発言集2』『小さきものの近代』(以上、弦書房)『黒船前夜-ロシア・アイヌ・日本の三国志』(大佛次郎賞、洋泉社)『バテレンの世紀』(読売文学賞、新潮社)『原発とジャングル』(晶文社)など。
弦書房より発行の関連書籍
もうひとつのこの世 | |
預言の哀しみ | |
死民と日常 | |
万象の訪れ | |
未踏の野を過ぎて | |
新編 荒野に立つ虹 | |
〈渡辺京二対談集〉近代をどう超えるか | |
江戸という幻景 |