21世紀の《想像の共同体》
ボランティアの原理 非営利の可能性

192頁
978-4-86329-224-6
定価 1800円 (+税)
2021年3月31日発行
紹介

さまざまな格差(貧富、地域、年齢、性別など)に覆われた時代を乗り越えてゆくために必要なキーワードは「想像力」。本書は、グローバリズム社会のその先を生きぬくための具体的な提言を試みた画期的な一冊です。新たな《想像の共同体》をつくり出すための糸口を、ボランティアや非営利の活動の中に求める思索の書とも言えます。
「風の谷のナウシカ」から、「風の谷」という小さな共同体と彼らの「想像力」の豊かさに学び、現代の受難(震災、戦争、コロナ禍など)を乗り越える可能性を伝えます。

【書評等掲載情報】
日本農業新聞8月29日(日)付 「あぜ道書店」
図書新聞9月11日(土)付 朝倉美江・金城学院大学人間科学部教授
西日本新聞5月22日(土)付 大澤真幸・社会学者
日本社会学会『社会学評論』286号 豊島慎一郎・大分大学経済学部教授

目次

I  「超高齢社会」の風景
1 「労働」に対抗する「仕事と活動」
2 「介護の社会化」はなぜ行きづまったのか
3 超高齢社会の地方はなぜトリアージ(命の選別)されるのか
《コラム》「ウッドストック」とは何だったのか
II  21世紀の新しい「想像の共同体」
4 二つの焦点を持つ楕円──「有償ボランティア」の第三の見方
5 終焉の先の弁証法──ボランティアにとってNPOとは何か
6 日本の「非営利」はどこへ向かうか
7 非営利という「想像の共同体」──ボランティアと非営利の二五年、そしてこれから
《コラム》「風の谷のナウシカ」と《想像の共同体》
結 21世紀への想像力

著者

安立 清史

あだち・きよし

1957年、群馬県生まれ。九州大学名誉教授。「超高齢社会研究所」代表。専門は、福祉社会学、ボランティア・NPO論。著書に、『福祉の起原』(弦書房、2023)、『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房、2022)、『21世紀の《想像の共同体》―ボランティアの原理 非営利の可能性』(弦書房、2021)、『超高齢社会の乗り越え方―日本の介護福祉は成功か失敗か』(弦書房、2020)、『福祉NPOの社会学』(東京大学出版会、2008)、『介護系NPOの最前線―全国トップ16の実像』(共著、ミネルヴァ書房、2003)、『ニューエイジング:日米の挑戦と課題』(共著、九州大学出版会、2001)、『高齢者NPOが社会を変える』(共著、岩波書店、2000)、『市民福祉の社会学―高齢化・福祉改革・NPO』(ハーベスト社、1998)など。

弦書房より発行の関連書籍

ボランティアと有償ボランティア
超高齢社会の乗り越え方