紹介
20世紀初頭からの日中関係をとらえる際に、日本の映画とその監督たちが、中国でどのように受け入れられ、愛されてきたかという分野から見ていくと新たな視点が生まれてきて興味深い。本書は、日中両国の映画と各世代の監督たちに詳しい著書(中国山東省生まれ)による労作。戦前、戦中、戦後の各時代の日中の文化交流が映画作品を通じてより深まっていることがわかる。映画を通じた今後の文化交流の可能性を探るための必読の書ともいえる。◆巻末に上海国際映画祭で上映された日本映画(1993~2019)一覧表は貴重。
目次
日本映画の巨匠たちの「不在」――戦前、戦中、そして冷戦時代 中国の改革開放政策と日本映画の絶大な影響 今、日中映画の最前線 附録 中国における日本映画の上映事情 上海国際映画祭で上映された日本映画(一九九三~二〇一九年)一覧表 中国で一般公開された日本映画(二〇一六~二〇一九年)一覧表
著者
劉 文兵
りゅう・ぶんぺい
1967年中国山東省生まれ。大阪大学言語文化研究科専任教員。
東京大学大学院総合研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。日本映画ペンクラブ賞奨励賞受賞(2015)
著書に『映画がつなぐ中国と日本』(東方書店)『日中映画交流史』(東京大学出版会)『中国抗日映画・ドラマの世界』(祥伝社新書)『中国映画の熱狂的黄金期』(岩波書店)『中国10億人の日本映画熱愛史』(集英社新書)他