弦書房週報 第31号

◆11月21日(日)に、NHKの「ダーウィンが来た!」で、スズメの個体数減少について放送がありました。家の屋根瓦が減ったことや、減反による稲作の減少など、人間社会の変化により《共存》が難しくなりつつあるようです。『スズメはなぜ人里が好きなのか』(定価1995円)、『カラスはホントに悪者か』(定価1995円)、『ツバメのくらし百科』(以上、大田眞也、定価1890円)。野鳥や植物の研究では定評のある大田眞也さんの身近な鳥三部作です。

◆「漂流者」を実生活でも実行していた故・岩尾龍太郎さんの『幕末のロビンソン―開国前後の太平洋漂流《ロビンソン・クルーソー・ゲーム》』(岩尾龍太郎、定価2310円)が好評です。外国を知るということの本質的な意味を、現代人へ問いかけてきます。

◆11月15日〜16日『日向市史』の打合せで日向市へ行って来ました。市内の東郷町は歌人若山牧水の故郷として知られています。また、細島港の雰囲気がいい。その日は、タチウオが水揚げされており、切り身を干していました。そのままあぶって食べてもうまそうでした。同行のM氏はビニール袋いっぱいにつめてもらって迷わず購入。『南へと、あくがれる―名作とゆく山河』(乳井昌史、定価1890円)

◆12月23日は、広田弘毅がA級戦犯として絞首刑となった日。昭和23年から没後62年です。戦前、この広田と直接話をすることができた方がいらっしゃいます。ゆたかはじめさんの父が広田内閣時代の総理大臣秘書官を勤めた縁で、その素顔に身近で接することができたようです。その記憶の中に生きる広田弘毅の姿と昭和という時代を語り、戦争と平和さらに外交の重要性を静かに問いかける本『広田弘毅の笑顔とともに―私が生きた昭和』が間もなく出ます。

◆12月1日(水)〜12月17日(金) 東京・銀座4丁目の永井画廊で堀越千秋さんの個展が開かれます。全日空の機内誌「翼の王国」の表紙絵の原画展です。オープニングには、作家・逢坂剛さんもかけつけて、氏のギター演奏に合わせて、堀越さんのカンテ(スペインの歌)が聞けます。(永井画廊TEL03−3547−9930)

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