狂気を沈めたリベラルーー鶴見俊輔の仕事を読み解く。いつだって鶴見俊輔はあたらしい。時代の転換点にいつも彼は呼び出されてきた。そして今も……。作家・黒川創と文芸評論家・加藤典洋が戦後思想の巨人を縦横に語る。
◉行動する人・鶴見俊輔 黒川創 /原発反対デモで思い出すこと /核にまつわる記憶 /「昼の時間」と「夜の時間」 /ハンセン病と関わる /アメリカのプラグマティズム哲学 /父親への抵抗 /敗戦と『思想の科学』の創刊 /「風流夢譚」事件 /フェアネスの問題 /直接行動と民主主義 ◉書く人・鶴見俊輔 加藤典洋 /二つの光源から /ホムンクルスとしての「書く人」 /最初の出会い /狂気を沈めたリベラル /鶴見さんのなかの「おだやかでないもの」 /書くことの不自然さ /書くことは、不自然に考えること /「なれなかったもの」 /詩、エッセイ、読書、編集 /詩のようなもの /根こそぎの経験 /「退行計画」 /「死者らしい寛大さ」でものを幾重にも「誤解」すること /うさんくささ、根こそぎ、退行 ◉〔対談〕鶴見俊輔を語る ・鶴見俊輔・略年譜
黒川 創
1961年京都府生まれ。作家。主な著書に『国境』(メタローグ)『若冲の目』(講談社)『日米交換船』(鶴見俊輔・加藤典洋と共著、新潮社)『かもめの日』(新潮文庫)『いつか、この世界で起こっていたこと』(新潮社)『日高六郎・95歳のポルトレ 対話をとおして』(新宿書房)など。
加藤 典洋
1948年山形県生まれ。文芸評論家、早稲田大学国際教養学術院教授。主な著書に『アメリカの影』(講談社文芸文庫)『言語表現法講義』(岩波書店)『敗戦後論』(ちくま文庫)『テクストから遠く離れて』(講談社)『小説の未来』(朝日新聞社)『3.11 死神に突き飛ばされる』『ふたつの講演 戦後思想の射程について』(ともに岩波書店)など。
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