FUKUOKA U ブックレット 6
日本の俳句はなぜ世界文学なのか
 

A5判/64ページ/並製
978-4-86329-101-0
定価 680円 (+税)
2014年6月発行

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紹介

「目で聞く、耳で見る―」短詩型文学の魅力を存分に語る。「俳句とか短歌は、もうやがて二千年前から日本人は使ってきていて、今でも使っているわけです。それはほかの国にはない現象です。これは日本の詩歌の一つの魅力で、そして日本の誇るべきことだと私は思います。」(ドナルド・キーン)

目次

《日本の短詩型文学の魅力》ドナルド・キーン
子供にも作れる俳句の意義
世界で最も短い詩型に惹かれた外国人
日本と外国とで違う「韻」の価値
強弱のリズムのない日本語
「奇数好き」の長い伝統
一番大事なのは「暗示」
正岡子規の俳論
「音」に注目しない日本人
二千年も使われ続ける詩型を持つ幸福

《ドナルド・キーン先生による俳句解読の魅力》ツベタナ・クリステワ
ドナルド・キーン先生という「奇跡」
日本文化の美意識
和歌から俳句への展開の特徴
「雅俗」としての俳諧連歌の働き
「俗雅」としての貞門派と談林派の役割
芭蕉の宇宙
天才の誕生と歴史/二つの「秋の暮」/不易流行/感覚の合流――「目で聞く、耳で見る」
芭蕉のあと
「感覚合流」の美意識の流れ/一茶の「しづかさや」

著者

ドナルド・キーン

どなるど・きーん

1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学名誉教授。日本文学研究者、文芸評論家。2011年3月の東日本大震災後に日本永住・日本国籍取得を決意し、翌年3月に日本国籍を取得。主な著書に『百代の過客』『日本文学の歴史』(全十八巻)『明治天皇』『正岡子規』『ドナルド・キーン著作集』(全十五巻)など。また、古典の『徒然草』や『奥の細道』、近松門左衛門から現代作家の三島由紀夫や安部公房などの著作まで英訳書も多数。

ツベタナ・クリステワ

つべたな・くりすてわ

1954年ブルガリアのソフィア生まれ。国際基督教大学日本文学教授。モスクワ大学アジア・アフリカ研究所日本文学科卒業。ソフィア大学東洋語教授、中京女子大学教授等を歴任。著書に『涙の詩学――王朝文化の詩的言語』(名古屋大学出版会)『心づくしの日本語――和歌でよむ古代の思考』(ちくま新書)、1981年『とはずがたり』を、1985年『枕草子』をブルガリア語に翻訳。