紹介
水の力で都市がよみがえる――都市を市民の手にもどす。一周遅れのトップランナーみたいに、ヴェネツィアには近代が否定したものがあった。単にノスタルジアではなくて文化的想像力をかき立ててくれる。80年代以後、近代を乗り越えるためにいろいろな都市論、文化論をやってきた中で語られたキーワードが皆「水の都」ヴェネツィアにあった。
目次
ヨーロッパ・アジアの水辺都市
水上都市――ヴェネツィア
船の魅力を活かした街
尾道と類似した石の街――アマルフィ
南イタリア都市の面白さ
元気な南仏・スペイン都市――マルセイユとビルバオ
北の水網都市――アムステルダム
文化戦略都市――ロンドン
ハーフェンシティ――ハンブルグの倉庫街
アジアの都市を巡る
バンコク・トンブリ地区
伝統的水郷都市――蘇州
水辺の再生――ソウルのチョンゲチョン
日本の水辺空間
日本の水辺を考える
江戸の多様な水辺空間
明治以降の東京
日本の水都を活かしていく
著者
陣内 秀信
じんない・ひでのぶ
1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了・工学博士。法政大学デザイン工学部教授。専門はイタリア建築史・都市史。イタリアをはじめ地中海都市や東京など歴史的都市の構造を比較研究。主な著書に『東京の空間人類学』(筑摩書房、サントリー学芸賞受賞)『都市を読む*イタリア』(法政大学出版局)『ヴェネツィア 《水上の迷宮都市》』『イタリア 小さなまちの底力』(以上、講談社)『イタリアの街角から 《スローシティを歩く》』『イタリア都市の空間人類学』(弦書房)他多数。
弦書房より発行の関連書籍
イタリア都市の空間人類学 | |
イタリアの街角から |