FUKUOKA U ブックレット 13
Doing History
「歴史」に対して、わたしたちができること

A5判/64頁/並製
978-4-86329-145-4
定価 680円 (+税)
2017年1月発行
紹介

不毛な「歴史戦」を超えて。戦争は「歴史解釈」の相違によって起こる。
第二次世界大戦から70年を過ぎ、世界は新たな時代局面を迎えている。まるで戦後のことなど忘れてしまったかのように。いま、あらためて戦後からの歴史をふりかえり、世界で、日本で何が起こっているのか、わたしたちに何ができるかを問う。

目次

◉生きている歴史・繫ぐ記憶
第二次大戦後の国際相互理解の歴史/和解からの退却/「七〇年談話」をめぐって/人文社会科学の危機/自分自身で決定する能力/未来のヴィジョン

◉あらゆる境界線を越えよう
〈テッサ・モーリス=スズキ×姜尚中〉
三つの問題系列/市場経済と人文社会科学の危機/「歴史する」を実践する/批判的想像力が働かない/歴史問題と和解への道/数字より経験の内実こそ/国際関係の変化と拡大する中国/グローバル化が問題を生み出す/九州からユーラシアへ

著者

テッサ・モーリス=スズキ

てっさ・もーりす すずき

1951年英国サリー州ケーターハム生まれ。オーストラリア国立大学太平洋アジア研究学院教授。日本思想史・社会史。主な著書に『日本の経済思想 江戸期から現代まで』(岩波書店)『辺境から眺める アイヌが経験する近代』(みすず書房)『批判的想像力のために―グローバル時代の日本』(平凡社ライブラリー)『過去は死なない メディア・記憶・歴史』(岩波現代文庫)『日本を再発明する 時間、空間、ネーション』(以文社)など。

姜 尚中

かん さんじゅん

1950年熊本県生まれ。東京大学名誉教授。専攻は政治学、政治思想史。主な著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ―近代文化批判』(以上岩波現代文庫)『ナショナリズム』(岩波書店)『東北アジア共同の家をめざして』(平凡社)『増補版 日朝関係の克服』『姜尚中の政治学入門』『漱石のことば』(以上集英社新書)『在日』(集英社文庫)『愛国の作法』(朝日新書)など。