連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2017.10.24

file35 旧龍野醤油同業組合事務所

市原猛志
 
【1924年竣工/兵庫県たつの市/木造2階建】
 
 前回の資料館とほぼ同年代に建造された組合の事務所で、建物としては、左右非対称の不整形な平面構成であり、細分されなおかつ建物規模から考えてもかなり狭めの廊下を持っている。事務所内には実験機能を備えていたことなどから、多人数が入ることを想定していない施設と考えることが出来る。醸造試験の性格上衛生面に注意が必要なことから、床面はタイルで覆われている。外観のタイル張りは、鉄筋コンクリート造りのオフィスビルにも負けないだけの風格を持っており、単体で存在するというよりも、都心部でビルが立ち並ぶ中にあるとうまく調和するような建物なのかもしれない。
 近年まで同業組合が所有する資料館施設として使われていたが、現在は地域コミュニティのための活動発表施設として使用されている。使用状況によっては内部が自由に見学できない状態は、少し複雑な心境とならざるを得ないが、これも建物を後世に受け継ぐためのものと割り切って、自由に見学できる機会をうかがうしかないだろう。
 
 
 
035-1-旧龍野醤油同業組合事務所-s

▲旧龍野醤油同業組合事務所

 
 
035-2-建物規模から考えると窮屈な廊下-s

▲建物規模から考えると窮屈な廊下

 
 
035-3-角部に張り出すように玄関を設ける大胆な構成-s

▲角部に張り出すように玄関を設ける大胆な構成

 
 
 

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