連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2018.10.01

file58 欅坂橋梁

市原猛志
 
【1915年竣工/福岡県香春町/煉瓦造石張橋梁(斜橋渠)】
 
 日も暮れかかり、写真撮影には適さない時間にもなってきたが、河内地区からさらに南下してトンネルをくぐり田川郡香春町へと入った。国道から脇道にそれて、まず地元人でもそうそう訪れることのない旧道の橋が、このドライブの最後の目的地である。
 この橋は、下を通る旧道から斜めの角度で架けられている。鉄筋コンクリート構造の橋梁の場合は、道に直交する橋梁と同様に足場をかけ型枠を作っていくだけだが、煉瓦造の場合は、斜め方向に架けようとすると片方に煉瓦の端材が出来ることになり、また加重が偏って掛かってしまう。このような事態を防ぐため、最初から煉瓦自体も道に直交するように斜めに組んでいき、端材を生まない工法が取られる。このような工法で作られた煉瓦造りアーチ橋をアーチのある内側から見ると煉瓦自身をねじっているように見えることから、「ねじりまんぽ」と総称される。まんぽとは、関西方面のトンネルに対する方言だとのこと。北九州地域にはこのようなねじりまんぽが3箇所あり、九州でもここだけにしか確認されない工法で、非常に珍しい。
 
 
 

▲欅坂橋梁(撮影2010年6月)

 
 

▲バイパスの完成により、ここを通る車も人も少ない(撮影2010年6月)

 
 

▲隧道に対して斜めに道を通しているため、加重を均等に地盤へ伝えるため、斜拱渠が採用された

 
 
 

こんなのもアリマス

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