〈水俣病〉事件の発生・拡大は防止できた

220頁
978-4-86329-247-5
定価 2000円 (+税)
2022年3月31日発行
紹介

1956年5月、〈水俣病〉事件が公式に確認されてから今年で66年になります。それにもかかわらず、この〈水俣病〉問題は、さまざまな観点からいまだに解決されていません。〈水俣病〉認定患者が何人いるのか、〈水俣病〉とはどのような症状を示す病気なのか、そのような基本的なことすら明確ではないのです。このような事態を招いたチッソ水俣工場技術部はすでに1963年時点でメチル水銀が汚染物質であることを解明していたようです。本書がその実態を明らかにし、この事件史を再検証する基本文献になることを願っています。

目次

1 チッソ社内研究と細川一 ネコ400号実験まで,そしてその後
2 水俣病発生予防・労働者の水銀中毒防止のための環境化学的研究

著者

有馬 澄雄

ありま・すみお

水俣病研究会客員研究員

内田 信

1951年,佐賀県生まれ.大阪大学大学院理学研究科にて,<水俣病>・メチル水銀中毒の研究を深める.1976年,大阪府立高校教員に採用.学生に化学を教える一方,水俣病患者を学校に招いて授業を行うなど,人権教育活動にも邁進した.1989年,本書収録の論文「水俣病の発生予防・労働者の水銀中毒防止のための環境化学的研究」を発表.高校教員退職後も,水俣病訴訟への支援を長く続ける.2021年10月,誤嚥性肺炎のため亡くなった.享年70歳.

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