『幕末の漂流者・庄蔵』
二つの故郷

120
978-4-86329-240-6
定価 1500円 (+税)
2022年1月15日発行
紹介

江戸中期から幕末にかけて、嵐などによる海難で漂流し、数奇な運命をたどった人々の物語はかなり多く残されている。本書の漂流者・庄蔵は、熊本県川尻の廻船問屋・茶屋に生まれ、天保6年(1835)妻子を残してフィリピンへ漂流し、マカオと香港で生きた。今回の調査で、彼の実像、家族、生家などが初めて明らかになった。これによって、彼が父にあてて書き残した書簡、さらに米国人宣教師ウイリアムズの下で初めて邦訳した聖書「マタイ伝」の史料的価値が改めて見直され、驚嘆すべき生涯を浮かびあがらせた。

目次

はじめに─原田庄蔵とその故郷 (一)肥後川尻・正中島町─この小さな町から (二)開国史の中の庄蔵─庄蔵と「モリソン号の七人」 〔I〕漂流物語─マカオから父への手紙「日本より出し日を命日に」   (一) 庄蔵の手紙    (二)寿三郎の手紙   (三)庄蔵と寿三郎   〔II〕聖書物語─ウィリアムズと庄蔵、本邦初訳「聖書・マタイ伝」 (一)「マタイ伝」写本の運命 (二)庄蔵の聖書とその特徴 〔III〕故郷物語─庄蔵と故郷の人々 (一)父と子の盆踊り    (二)庄蔵の教養 (三)正中島町「家屋鋪賣買帳」と庄蔵旧居 (四)庄蔵の長女ニヲとその末裔 おわりに─運命と時代を切り開く力 ➀ 受難・回心・自立―「近代」の初心 ➁ 歴史の中の庄蔵

著者

岩岡 中正

いわなか・なかまさ

昭和23年、熊本市生まれ。熊本大学名誉教授、博士(法学)、俳誌「阿蘇」主宰。著書に『詩の政治学―イギリス・ロマン主義政治思想研究』『石牟礼道子の世界』『ロマン主義から石牟礼道子へ』『虚子と現代』『子規と現代』。句集に『春雪』『夏薊』『相聞』。

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