コロナ禍では、世界的に「年齢差別(エイジズム)」が無意識のうちに広がってしまった。……意識的に乗り越えようとしないかぎりエイジズムという差別的な見方が広がっていくことを意味する。こうした問題や課題について意識化していくこと──それは福祉社会学のひとつの役割ではないだろうか。(本文Ⅰ「福祉社会学・再考」から)。社会と福祉の関りを40年以上研究してきた著者による集大成の一冊。
はじめに―もうひとつの世界へ向けて
Ⅰ 福祉社会学・再考
Ⅱ 福祉社会学の思考
福祉社会の行方
米国のシニアムーブメントはなぜ成功したか―NPOと社会運動の相補性をめぐって
「高齢社会」というペシミズム―日本の人口高齢化に取り憑いた呪文
日本のNPO研究の20年―社会福祉とNPO
Ⅲ 福祉社会学の課題
福祉への問い、福祉からの問い―あとがきにかえて
安立 清史
1957年、群馬県生まれ。九州大学名誉教授。「超高齢社会研究所」代表。専門は、福祉社会学、ボランティア・NPO論。著書に、『福祉の起原』(弦書房、2023)、『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房、2022)、『21世紀の《想像の共同体》―ボランティアの原理 非営利の可能性』(弦書房、2021)、『超高齢社会の乗り越え方―日本の介護福祉は成功か失敗か』(弦書房、2020)、『福祉NPOの社会学』(東京大学出版会、2008)、『介護系NPOの最前線―全国トップ16の実像』(共著、ミネルヴァ書房、2003)、『ニューエイジング:日米の挑戦と課題』(共著、九州大学出版会、2001)、『高齢者NPOが社会を変える』(共著、岩波書店、2000)、『市民福祉の社会学―高齢化・福祉改革・NPO』(ハーベスト社、1998)など。
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